旬の“おいしい”をレポート!
☆5月の食材☆
なす
取材産地/豊橋市
なすの原産国はインド。日本では奈良時代に栽培されはじめ、平安時代には各地域に広く普及したと言われている。今では品種改良が進み、長なす系や丸型系など、多くの品種が見られる。「一富士、二鷹、三茄子」といわれるように、古くから縁起の良い食べ物として親しまれている。
豊橋では、品質・鮮度にこだわった「千両なす」「輝(かがやき)なす」を栽培
豊川用水の豊富な水と温暖な気候に恵まれ、多種多様な作物が栽培される豊橋市。キャベツやトマトに並び、なすも豊橋を代表する作物です。栽培が本格したのは昭和48年頃。今ではハウスを利用して、ほぼ一年を通して出荷されます。
育てているのは、皮が薄くて果肉が柔らかい「千両なす」と、トゲがなく、ツヤツヤしてしなびにくい「輝(かがやき)なす」の2種類。受粉作業が不要で育てやすいなどの理由から、近年では「輝なす」の生産量が増えています。
4月上旬にうかがった彦坂さんのハウスでは、青々と茂る葉の中に、立派ななすが収穫を待っていました。8月下旬に苗を定植し、収穫は9月下旬から翌年7月まで休むことなく続くため、常に樹の状態を把握し、剪定方法や水の管理など、季節に合わせて細やかな手入れが必要です。大切に育てられた樹からは、1本で年間約120個も収穫できます。
早朝に収穫されると、その日のうちに選果場へ。汚れを落として鮮度を保つため、豊橋では全国的にも珍しいオゾン水による洗浄を取り入れています。洗浄後は機械で色や形を判別し、規格ごとに仕分けされ手作業で丁寧に箱詰め。新鮮なうちに出荷されます。
茄子部会では、化学肥料の低減に取り組むなど、長年にわたって安心・安全を大切にしてきました。品質や鮮度に置いて一切妥協のない豊橋産。煮て良し、焼いて良し、炒めて良し。お好きな調理法で味わってみませんか。
おいしいなすの選び方
●肌ツヤがいいもの
●ヘタの切り口がみずみずしいもの
【保存方法】
水分の蒸発を防ぐためラップなどで包み、冷暗所か冷蔵庫で保存。5℃以下だと品質が劣化してしまうので、10℃前後で保存しましょう。
生産者紹介
JA豊橋 茄子部会
部会長 彦坂 文隆さん
大学卒業後に就農し、なす一筋約38年の彦坂さん。現在部会員は54名からなり、品質安定や収量増加を目指して、新しい品種も試験的に取り入れながら栽培に励んでいます。量販店での試食販売だけでなく、今後はキッチンカーやSNSなども使って豊橋産をPRしていけたらと話します。「果肉のみずみずしさも感じられる天ぷらがおすすめ。ぜひ豊橋のなすを食べてみてください」。
取材協力/JA豊橋、JAあいち経済連
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Megumi.Iです!初めての街や初めてのお店ってワクワクしますよね。暮らしに役立つ情報を通して、そんな素朴なワクワクをお届けできるように頑張ります(^^)
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