旬の“おいしい”をレポート!
☆1月の食材☆
つまもの《菊花》
取材産地/豊橋市
大葉や菊花をはじめ、料理に添える木の葉や山菜、野菜を総称して「つまもの」と言い、彩りを重視する和食文化には欠かせない存在。食用菊は観賞用の菊に比べて花が大きく、苦みが抑えられているのが特徴。9月9日「重陽の節句」では、菊の香りを移した「菊酒」を飲んで、無病息災や長寿を願う習慣がある。
料理の彩りだけじゃない!見て食べて楽しむ豊橋産つまもの
豊橋市は「つまもの」の一大産地!新しい食べ方を提案
大葉や菊花、花穂、エディブルフラワーなど、料理に彩りや季節感を添えるつまもの。一年を通して温暖な豊橋市は、ハウスを利用したつまものの生産が盛んです。今回取材した菊花は、愛知県が全国生産量95%を占め、豊橋市は主要産地の一つです。
菊花と聞くと刺身をイメージする人が多いですが、実際に食べたことがある人は少ないのではないでしょうか。刺身の菊花は、彩りはもちろん、菊が持つ解毒効果を利用した殺菌目的で添えられています。「花びらを刺身に散らしたり、醤油に散らして食べてほしい」と話す、菊花部会部長の白井清晃さん。「まずはそのまま刺身を楽しみ、途中で菊花を散らして味変。さっぱりとした風味とほのかな香り。見た目も華やかになり、粋な一皿になりますよ」。
50年以上の栽培の歴史がある豊橋市。より形が美しいものや苦みが少ないもの、暑さに強いものなど、部会内で品種改良を行い、一年を通して出荷しています。食用として安全性に向けた取り組みにも余念はありません。
しかし、近年では、刺身のパックにプラスチックの造花が添えられているなど菊花の出荷量は減少。白井さんは「カルパッチョに散らしたり、中華料理の餡に加えたり。和のイメージを払拭して、華やかな”映え”を意識した新たな使い方を提案していきたい」と、話します。菊花は、イタリアンやフレンチ、中華料理、スイーツでも幅広く使え、主役になる可能性を秘めた食材。見かけたら、まずは散らして食べてみてください。
刺身や醤油に散らして食べられる「菊花」
刺身に添えられている菊花は、刺身や醤油に散らして食べてみましょう。額は苦いので、花びら部分だけを散らします。花を下に向けて持ち、額を潰すようにぎゅっと力を入れると、あっという間に花びらがバラバラに!
生産者紹介
豊橋温室園芸農業協同組合
菊花部会 部長 白井 清晃さん
お父様から受け継ぎ、今年で17年。「育てていると愛着が湧いてきますね。花びらを散らして食べられることをもっと広めたいです。品種改良に力を入れて、ゆくゆくは加工品でも使ってもらえたら」と話す。部会では、公式インスタグラム(@t_kikuhana)を開設して積極的にPR。
取材協力/豊橋温室園芸農業協同組合、JAあいち経済連
この記事を書いた人
SAKURA編集部_Megumi.Iです!初めての街や初めてのお店ってワクワクしますよね。暮らしに役立つ情報を通して、そんな素朴なワクワクをお届けできるように頑張ります(^^)
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