愛知県|旬の食材|十六ささげ|
愛西市・稲沢市で作られる「あいちの伝統野菜」

旬の“おいしい”をレポート!
☆7月の食材☆

十六ささげ

取材産地/愛西市

原産はアフリカ。「マメが十六粒入っているから」「さやが物を捧げるように下を向いているから」など、名前にはいくつかの由来がある。愛知県では尾張西部で栽培され、木曽川を挟んだ岐阜県羽島市周辺でも見られる。県内で古くから栽培されている、地域に定着しているなどの基準を満たした『あいちの伝統野菜』の一つ。

愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
愛知県愛西市/尾張西部で作られる十六ささげ(©SAKURA編集部)

さやが柔らかくて食べやすい!尾張地方を代表する夏野菜「十六ささげ」

スーパーで見かけるといよいよ暑くなってきたなと感じられる、十六ささげ。高温や乾燥に強いため、夏でも良く育ち、淡泊でさっぱりとした味わいは、食欲の落ちる夏にぴったりです。

形はいんげんに似ていますが、さやが30~40cmと長くて柔らかいのが特徴。さっとゆでて和え物にしたり、油炒めや天ぷらなど、クセがないからこそさまざまな料理に使えます。

愛知県で十六ささげを食べる習慣があるのは尾張西部のみ。栽培は木曽川に程近い愛西市と稲沢市祖父江町が中心で、大正時代にはすでに始まっていました。出荷は6月上旬からお盆まで。尾張地方を代表する夏野菜です。

愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
アーチ形の支柱に這わせるようにツルを伸ばす。下から順番に花が咲き、さやができる。(©SAKURA編集部)
愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
収穫の基準は太さ。すべて手作業で行っている。(©SAKURA編集部)

十六ささげは種が肥大する前の若いさやを収穫するため、とてもデリケート。風に揺れて擦れるだけで、まっすぐ伸びなかったり、傷の原因になったり。生産者の田中一輝さんは、防風や妨害虫対策を行い、肥料を切らさずに良い株を作ることを大切にしていると言います。収穫せずに枝に実らせておくと、もっと長く太く成長し、種を採ることができるため、良いものができると、それを残して自家採取し翌年へ繋げています。

愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
ささげの花は淡い紫色で、早朝に咲き、午前10時前には閉じてしまう。毎月決まった時間に閉じるため畑作業の時間の目安にもなるそう。(©SAKURA編集部)
愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
防風ネットで対策し、品質の劣化を防ぐ。(©SAKURA編集部)

現在組合員は10名。夏野菜ではありますが、近年は夏の気温が高すぎて作りづらくなってきているようです。また、生産者の高齢化などで年々生産量は減少。その中でも、あいちの伝統野菜である十六ささげを絶やすことのないよう、生産量を維持する努力をされています。

愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
八開夏野菜組合では2品種を栽培。品種によってさやの長さや太さに違いがある。(©SAKURA編集部)
愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
収穫後は自宅にて出荷準備。傷があるものは除き、長さで分けて10本一組で束ねる。(©SAKURA編集部)
愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
(©SAKURA編集部)

おいしい十六ささげの選び方

●傷がなく、全体的に色がきれいなもの

【保存方法】
冷蔵保存…乾燥に弱いため、キッチンペーパーで包んでビニール袋に入れて保存
★冷凍保存…固めに塩ゆで(1分ほど)して冷ましてから、保存用袋に入れて保存

愛知県愛西市「あいちの伝統野菜」十六ささげ
(©SAKURA編集部)

生産者紹介

JAあいち海部 八開夏野菜組合
副部会長 田中 一輝さん

夏は十六ささげ、冬は愛西市の特産品れんこん、春秋はだいこんを栽培する田中さん。「十六ささげは、茹でて生姜醤油で食べたり、チンジャオロースのピーマンの代わりに使ったり、太めのものは天ぷらに。味にクセが無いので、いろいろな食べ方ができます。最近では若い世代でささげを知らない方が多いので、スーパーで見かけたらぜひ買ってみてください」。

取材協力/JAあいち海部、JAあいち経済連

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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SAKURA編集部_Megumi.Iです!初めての街や初めてのお店ってワクワクしますよね。暮らしに役立つ情報を通して、そんな素朴なワクワクをお届けできるように頑張ります(^^)

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