愛知県|旬の食材|いちじく|温暖な知多半島が育む完熟いちじく

旬の“おいしい”をレポート!
☆9月の食材☆

いちじく

取材産地/常滑市

東南アジアで古くから栽培され、日本には江戸時代初期に伝わったとされる。食物繊維やミネラルが豊富で、「不老長寿の果物」と呼ばれるほど、いちじくが持つ栄養価は古くから注目されていた。漢字では「無果花」と書き、これは、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来。実際は、果肉の中に小花(しょうか)と呼ばれる多数の花が密集し、この小花がプチプチとした食感になっている。

愛知県知多半島育ちのいちじく
愛知県常滑市/いちじく
高品質な知多産いちじく(©SAKURA編集部)

愛知県はいちじく生産量全国一位!知多半島では雨除け対策で品質を追求

愛知県はいちじくの生産量が全国一位の大産地。温暖な気候に恵まれる知多半島も栽培が盛んです。大府市から南知多町まで半島全体で栽培され、7月下旬から11月上旬にかけて出荷されます。

さまざまな品種がある中で、大ぶりで鮮やかなワインレッド色の「サマーレッド」と、しずく型で濃い赤紫色の「桝井ドーフィン」を栽培しています。知多のいちじくの特徴は品質の良さ。雨に弱い果実で、ハトメ(果頂部)の割れから水分が入るだけで傷みの原因となるため、特に雨対策を徹底しています。取り入れられているのは、枝に専用の傘を付けて果実を守る”傘かけ栽培“と、ビニール屋根で畑全体を覆う”雨除け栽培“。手間がかかるため他の産地では敬遠されがちなこれらの対策を行うことで、品質を追求。市場からも高く評価されています。

愛知県知多半島育ちのいちじく
主枝を左右に倒し、結果枝を伸ばす「一文字仕立て」。樹の寿命は10~15年とされ、新しい樹も育てながら栽培
(©SAKURA編集部)
愛知県知多半島育ちのいちじく
果実を雨から守る「傘かけ栽培」。手間をかけて高品質を維持
(©SAKURA編集部)
愛知県知多半島育ちのいちじく
下から順に実を付けるいちじく。1本の枝から23~25段(個)ほど収穫できる
(©SAKURA編集部)
愛知県知多半島育ちのいちじく
色や大きさ、ハトメの割れを確認し、食べ頃の状態で収穫
(©SAKURA編集部)

いちじくと言えば、あのねっとりとした濃厚な甘さが魅力ですが、追熟しない果実のため、木でどこまで熟したものかで味わいに大きく差が出ます。知多では早朝より食べ頃の状態で収穫し、出荷しています。ぎりぎりまで木に実らせているため、なめらかな舌触りと甘さが抜群。一口頬張れば、ジューシーな味わいが口いっぱいに広がります。

たくさんの太陽の光を浴びて、今年も順調に育っています。近年ではフルーツ大福やフルーツサンドでも注目。食物繊維が豊富に含まれ、お通じが気になる方にもおすすめです。プチプチとした食感がクセになる、夏から秋に食べたい果実です。

愛知県知多半島育ちのいちじく
厳しい基準を設け、クリアしたものだけを出荷
(©SAKURA編集部)
愛知県知多半島育ちのいちじく
常滑支部ではパッキングセンターの活用を促進し、出荷作業の省力化や品質向上を目指している
(©SAKURA編集部)
愛知県知多半島育ちのいちじく
これぐらいの割れがベスト!
(©SAKURA編集部)

おいしいいちじくの選び方

●全体的に赤紫色に色付いているもの
●表面の皮にハリがあるもの
●ふっくらと丸みがあり、傷や傷みがないもの
●ハトメ(果頂部)がほどよく割れているもの(いちじくは完熟するとハトメが割れるのが特徴。少し割れていたり、割れかけているものは食べ頃の印!)

愛知県知多半島育ちのいちじく
「今年も今のところ順調です」と、笑顔を見せる山本勝さん
(©SAKURA編集部)

生産者紹介

JAあいち知多 いちじく部会
生産者  山本 勝さん

ご実家のいちじく栽培を手伝った際に、「手をかけた分、結果が出る」ことにやりがいを感じ、就農。この道20年以上、品質を追求しながら栽培に取り組む。「皮を剥いてカットし、冷凍。半解凍でシャーベットのように食べるのがおすすめ。ぜひ食べてみてほしい」と、話す。
 2~3年で出荷できるようになり、新規就農者でも始めやすい果実であることから、JAあいち知多では、いちじくの新規就農支援にも力を入れている。

取材協力/JAあいち知多、JAあいち経済連

※情報はページ上の更新日現在のものです。取材時と一部内容が異なる場合があります。

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この記事を書いた人

SAKURA編集部_Megumi.Iです!初めての街や初めてのお店ってワクワクしますよね。暮らしに役立つ情報を通して、そんな素朴なワクワクをお届けできるように頑張ります(^^)

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