世界三大毛織物産地「尾州」で、のこぎり屋根工場見学と幻の糸紡ぎ体験
全国生産量の70%を占め、古くから毛織物産地として栄えた「尾州」
愛知県尾張西部地域から岐阜県西濃地域一帯は「尾州(びしゅう)」と呼ばれ、木曽川を中心とする豊かな自然環境に恵まれるこの地域は、古くから毛織物(ウール)産地として発展してきました。全国生産量の約70%を占め、イギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラと合わせて世界三大毛織物産地と称されています。糸から織物に至るすべての工程が、地域一帯に結集しているのが尾州の特徴です。
愛知県一宮市に工場を構える「木玉毛織株式会社」は、明治28年の創業以来、毛織物の婦人服地に携わってきました。その後、時代の流れとともに毛織物から撤退。現在は、オーガニックコットンを原料としたガラ紡(がらぼう)糸の製造・販売を行っています。
工場の空きスペースには他社の繊維工場も入り、同社のガラ紡績機をはじめ、「ションヘル織機」という希少なシャトル式織機や、シャトルを使わない「レピア織機」、さらにニットを腹巻のように筒状に網下げていく丸編み機、縫製など、さまざまな生産工程が一堂に集まっています。
綿が糸に、糸が布になる過程を見学できる「織物工場見学ツアー」を開催
木玉毛織株式会社では、織物に関するさまざまな機械が集まったこの工場を見学できるツアーを開催しています。尾州の歴史や、繊維の町・一宮の代名詞にもなっている”のこぎり屋根工場”の仕組みなども学びながら、熟練の職人によって実際に機械が使用されている現場を見学できます。
「幻の糸紡ぎ」と呼ばれる貴重なガラ紡を体験できるのも、このツアーの魅力の一つ。ガラ紡は、明治初期に日本で発明された紡績機で、綿を詰めた筒を回転させて、上に引き伸ばしながら紡いでいます。明治中期には洋式の機械の登場によって徐々に衰退。現在ガラ紡を主軸に生産している企業は全国で数軒しかありません。ガラガラと音を立てながら、綿が糸になる過程を見られます。
「見学や体験を通して、まずは尾州の織物を知って、興味を持ってもらいたい。そして、織物の生産に携わってみたいという方が増えると嬉しいです」と、代表の木全育睦さんは話します。
人気の体験MENU
織物工場&ガラ紡体験ツアー
のこぎり屋根の工場をガイド付きで散策。幻の糸紡ぎといわれるガラ紡も体験できます。参加者にはガラ紡のハンカチをプレゼント!
■開催/月曜~土曜の14:00~(約60分)
※開催日は公式サイトにてご確認ください
■対象/どなたでも
■料金/大人2,200円、中学生以下1,100円、3歳以下無料
■予約/ホームページより要予約
見学ツアー後は、ショールームや産直の服屋さんでお買い物ができます
敷地内には、木玉毛織株式会社の製品を購入できるショールームや、尾州の生地を使用した服屋「新見本工場」 があり、見学ツアー後は買い物を楽しめます。ショールームには、オーガニックコットンのガラ紡糸を使ったファブリックが並びます。ゆっくりと紡がれるガラ紡糸は、吸水性が高く、柔らかくて軽い質感のが特徴。そして何より、素朴で温かみのある風合いで愛されています。ハンカチからタオル、ベッビーグッズ、寝具、衣類まで、お気に入りのアイテムを見つけてみませんか。
明治28年創業、一宮市の繊維会社
木玉毛織株式会社
キタマケオリカブシキガイシャ
愛知県一宮市西萩原字上沼40
アクセス:【車】「一宮西IC」から車で約10分 【公共交通機関】一宮駅から名鉄バス「蓮池」または「西中野」行き乗車、「西萩原」下車徒歩5分
公式サイト
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SAKURA編集部_Megumi.Iです!初めての街や初めてのお店ってワクワクしますよね。暮らしに役立つ情報を通して、そんな素朴なワクワクをお届けできるように頑張ります(^^)
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